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杉田卓也税理士事務所
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こんにちは!横浜の税理士、杉田卓也です。
今回のテーマは、『社長が会社に土地を貸したら法人税がかかる?』です。
会社を設立し、オーナー社長さんが自分の土地を会社に貸す、ということはよくあります。自分が社長を務める会社に自分の土地を貸し付けるので、いくらで貸し付けるかといったことは特に意識せず、タダにしているケースもよくあります。
こんなことはオーナー会社の経営実務上不思議なことではありませんが、税務の世界では、注意しなくてはならない事項があるものとされています。
それは、借地権の認定課税と呼ばれるものです。
「一体何のこと?」という方のために詳しく説明します。
まず、第三者間で土地の貸し借りをすることになった場合、土地を借りる側が地主さんに権利金を支払う慣行があります。土地の貸し借りが発生すると、土地を借りている側に借地権という権利が認められ、借地借家法の下で保護されることになります。保護とは簡単に言えば、地主さんが突然「土地を返してくれ」と言ってきたとしても、これに従わず引き続き借り続けることができる、ということです。こういった権利が発生することからも、土地の貸し借りに際しては、権利金の受払いをすることが、都市部において広くみられる慣行となっています。
しかし、第三者間であれば上記権利金のやり取りは理解できますが、オーナー社長さんと会社との間で権利金のやり取りをすることは、まずないと言えるでしょう。
では、オーナー社長さんと会社間で特段の権利金の受払いをしなかった場合、税務上はどう取り扱われるのでしょうか?
権利金の受払いがない状況に対して、法人税法上は、社長に権利金を支払う義務が発生したものの、その支払義務を免除されたと取り扱います。
つまり、その免除された金額に相当する収益が会社側に発生した、とみるわけです。
この収益に対して法人税が課税されます。土地の金額によっては権利金の額が多額になるため、その免除益に対する法人税も大きな金額になり得ます。
では、上記の認定課税を避けるために、常に権利金の受払いをしなければならないのでしょうか?
法人税法の考え方によれば、権利金の受払いがない場合でも、毎年相当の地代の受払いがあれば権利金の認定課税の問題は起きないものとされています。そして、相当の地代とは、土地の相続税評価額の6%相当額とされています。
では、権利金の受払いはしないが、相当の地代の受払いはしている、というケースはあるでしょうか?
常識的に考えて、まずあり得ないと言えるでしょう。土地の相続税評価額の6%相当額はそれなりの金額になるでしょうし、それを毎年受払いするなどどいうことは考え難いものです。
そこで、権利金の受払いも相当の地代の受払いもない場合に、どう対処すればよいのでしょう。
「土地の無償返還に関する届出書」を提出することが、認定課税の回避策とされています。
この届出書には、「将来借地人から無償で土地の返還を受けることになっていますので、その旨を届け出ます。」という文言が記載されます。
すなわち、地主の要求に応じていつでも土地を無償で返還しなければならないため、権利金の認定課税は行わないものとされているわけです。
上記は<法人税法基本通達13-1-7(権利金の認定見合せ)>に示されております。
この取扱いが認められているため、内々で多額の権利金の受払いをするという不合理な手続きを踏まなくても済むワケです。
なお、上記届出書の提出期限は「遅滞なく」とされているのみで、具体的な期限に関する規定がありません。法人税法基本通達逐条解説(税務研究会出版局)によれば、「遅滞なく」とは、「通常、借地権の設定があった後最初に到来する確定申告期限まで」と解されておりますが、法律条文に明確な記載があるわけではありません。
従って、もし届出書の提出を忘れてしまっている場合には、ただちに提出することが望ましいでしょう。
また、この届出書は取引当事者の一方が法人である必要があります。つまり、個人対個人の取引については、こういった届出書は存在しませんので、ご注意ください。
長々記載しておきながら、最後にこれまでの話をひっくり返すようなことを書きます。
(今までの話は何だったんだ!と言われてしまいそうですが。)
借地権の認定課税は、都市伝説かもしれません。
というのも、実際に認定課税を受けたという事例を耳にしたことのある人がいないのです。
国税当局の内情を知る人も、借地権の認定課税などというものを意識したことは一度もない、と話します。
もし税務調査の席で借地権の認定課税となり得る事象が出てきたとしても、速やかな無償返還届出書の提出を指導されるにとどまり、現実に課税されるケースは稀だと言えるのではないでしょうか。
実際には起こりもしない認定課税をケアするために、あれこれ考えること自体、時間の無駄のような気がしないでもないですが、ひとまず土地の無償返還に関する届出書が出ていればOKなのだとすれば、そういうものだと割り切って届出書を出しておくべきなのでしょう。
横浜の税理士 杉田卓也
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