横浜で税理士をお探しなら杉田卓也税理士事務所にお任せ下さい! 上場企業管理部門を経て独立開業した若手税理士がお客様目線の税務サポートを提供致します。

杉田卓也税理士事務所

〒232-0013 神奈川県横浜市南区山王町4-26-3 ストークビル秋山2階
横浜市営地下鉄 吉野町駅(横浜駅から10分)4番出口より徒歩1分

営業時間
9:00~17:00
定休日
土曜・日曜・祝日

一時的な空室は賃貸割合にどう含める?(貸家立付地評価)

※ 以下掲載記事に関するメール等でのご相談はお受けしておりません。ご了承ください。

 

こんにちは!横浜の税理士、杉田卓也です。

今回のテーマは、『一時的な空室は賃貸割合にどう含める?(貸家立付地評価)』です。

 

 

 土地の上にアパートやマンションを建設して、賃貸の用に供していましたが、不幸にも相続が発生してしまいました。相続税の計算のため、相続財産を評価しなくてはなりません。

こんなとき、その土地は「貸家立付地」として評価することになります。

更地の場合よりも評価額は低くなるのですが、その具体的な計算方法は以下のとおりです。

 

 「貸家立付地」評価額=自用地評価額-自用地評価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合

 

 この計算式上の賃貸割合とはどうやって計算するのでしょうか?

 

 <財産評価基本通達26(貸家建付地の評価)>に以下のような記載があります。

賃貸割合=賃貸されている各独立部分の床面積の合計/各独立部分の床面積の合計

 

 同通達の注書きにおいて、上記算式の「賃貸されている各独立部分」には、継続的に賃貸されていた各独立部分で、課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められるものを含むこととして差し支えない、としております。

 

 この「一時的に賃貸されていなかったと認められるもの」に関しての質疑応答事例が国税庁HPに掲載されております。

 これによれば、アパート等の一部に空室がある場合の一時的な空室部分が、「一時的に賃貸されていなかったと認められる」部分に該当するかどうかは、その部分が、

 ① 各独立部分が課税時期前に継続的に賃貸されてきたものかどうか

 ② 賃借人の退去後速やかに新たな賃借人の募集が行われたかどうか

 ③ 空室の期間、他の用途に供されていないかどうか

 ④ 空室の期間課税時期の前後の例えば1ヶ月程度であるなど一時的な期間であったかどうか

 ⑤ 課税時期後の賃貸が一時的なものではないかどうか

などの事実関係から総合的に判断する、としております。

 

 上記の質疑応答事例は参考になるのですが、実際のところ空室期間が何ヶ月以内だったら賃貸部分に含めて良いのか?、明確な回答が欲しいところかと思います

「総合的に判断する」として解釈に含みを持たせているのが、なんとも悩ましいところです。

 

 納税者としては「空室の期間は数ヶ月間あるものの、賃借人を募集しており、かつ、いつでも賃貸できるよう維持管理をしている」状態であれば、賃貸割合の計算上は賃貸部分に含めて計算したくなるのは当然でしょう。

 

 この空室期間への疑問に関して、興味深い事例が東京国税不服審判所の未公表採決にあります。

 同採決の詳細な内容説明は省略しますが、審判所は、「5ヶ月以上の空室期間」に対して、一時的な空室とは言えない、ものと判断しております。

 また、「1ヶ月半の空室期間」に対しては、一時的な空室に該当する、ものと判断しました。

 

 上記の採決事例から直ちに「~ヶ月以上の空室期間がある場合は一時的な空室とはいえない」と定義づけることはできませんが、少なくとも「賃借人は決まらないものの募集をしている事実はあるし、そのための維持管理を続けている」というだけでは、認めてもらえない可能性があるのでしょう。

 

 参考情報として、その物件の所在地域における空室期間のトレンドを調べてみるといいかもしれません

その平均期間や時期的な影響を考慮して、例えば3ヶ月程度空いてしまうことだって不思議でないと言えるかもしれません。

そうであれば、空室期間が1ヶ月以上であったとしても、それは一時的な空室だとして賃貸部分に含めて計算できるでしょう。

 簡単にあきらめず、根拠をもって主張してみるべきです。

 

 

 横浜の税理士 杉田卓也

代表税理士の画像

お問合せ・ご相談はこちら

顧問契約等のご依頼は、メールフォームにて受け付けております。

営業終了後でもメールでのお問合せにつきましては、24時間受け付けております。

※顧問契約ご依頼に対するご返答はメールにて迅速対応しておりますが、ごくまれに当事務所からのメールが届かない (or迷惑メールに入ってしまう)ことがあるとの報告を受けております。

返答がない場合には、お手数ですが再度ご連絡いただくか、迷惑メールフォルダのご確認・解除設定をお願い申し上げます。

営業時間:9:00~17:00
定休日:土曜・日曜・祝日