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杉田卓也税理士事務所

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墓地の販売(貸付)はすべて非課税?

※ 以下掲載記事に関するメール等でのご相談はお受けしておりません。ご了承ください。

 

こんにちは!横浜の税理士、杉田卓也です。

今回のテーマは、『墓地の販売(貸付)はすべて非課税?』です。

 

 

 お寺の境内地に『墓地分譲中!』と広告が立っているのを目にしますが、墓地の分譲とは正確には『墓地の永代使用権の譲渡』を意味しますので、マンション分譲のように登記上の所有者が売買により移転するわけではありません。すなわち法律的には、『墓地分譲』=『墓地貸付け』と解釈することになるのは、お寺の関係者であれば周知のことです。

宗教活動による収入に対しては、非課税となるよう政策的に手当されているわけですが、墓地分譲(実態は貸付)も同様に非課税なのでしょうか?

その答えは、

基本的には非課税。ただし、課税される一定のケースが存在する。

です。

具体的には、法人税法上の収益事業に該当する場合には、課税対象となります。

 

 

 事例を交えて、詳細をご紹介していきます。

 

 

 ① 基本 → 収益事業に該当しない(法人税は非課税)

 

 ② 例外 → 収益事業に該当する場合がある(法人税の課税対象となる場合がある)

 

 

 基本的に、墓地分譲(実態は貸付)が収益事業に該当しない根拠は、はっきりと法律条文に書いてあります。

法人税法施行令第5条1項5号>において、不動産貸付業を規定し、これに該当する場合には収益事業として法人税が課税されるのですが、この条文の中で、除外規定を設けています。

同号ニに規定する墳墓地の貸付業については、非課税として課税対象から除外しているのです。

 

 従いまして、墓地分譲(実態は貸付)は、迷うことなく法人税非課税と判定できます。

 

 なお、お寺が墓地を貸し付ける際に、使用期間に応じて継続的に地代を徴収する方法のほか、その貸付当初に永代使用料として一定の金額を一括徴収する方法があります。

一般的にお寺が墓地を貸し付ける方法としては、後者の永代使用料によるものが多いですが、この永代使用料も非課税でOKでしょうか?

 

 この疑問に対しては、<法人税法 基本通達15-1-18>において明確な回答が用意されており、永代使用料の徴収による墳墓地の貸付についても非課税の範囲に含めて取り扱うものとしております。

 

 

 

 それでは一方で、②の例外ケースについて掘り下げていきます。

法人税法施行令第5条1項2号>において、不動産販売業を規定し、これに該当する場合には収益事業として法人税が課税されます。

つまり、その墓地分譲が収益事業である不動産販売業に該当するのか、しないのか、総合的に判断しなくてはならないことになります。

 

 総合的に判断する、という含みを持たせた言い方をされると、実務上の取扱いに困ってしまうのですが、非常に参考になる事例が存在します。

それは、国税不服審判所の公表採決事例-平成21.11.10 採決事例集No.78 309頁です。

 

 同採決において、宗教法人が行った墓地の販売が、法人税法上の収益事業に該当するのかどうか争われました。

 

 結論は、収益事業に該当するものとして、法人税が課税されております。

 

 この採決の重要ポイントは、土地の買収・造成を経て行われる販売行為は、不動産販売業たる収益事業に該当する、と判断していることです。

 

 本件において、お寺は多数の地権者から土地を購入し、当該土地を墓地に造成した上で販売しています。そして、この販売行為は、住宅団地又は工業団地を造成し譲渡する行為などと同様に、土地を買収してこれを造成し譲渡するものであるから、一般私企業との間で競合関係を有する不動産販売業に該当する、と結論付けました。

 

 かつて、ペット葬祭業が収益事業に該当するかどうかで争われた最高裁判例がありましたが、同事例においても、一般私企業との間で競合関係を有するという点が決め手となり、収益事業に該当するものと判定されております。

 

 曖昧な言い方になってしまいますが、販売の事実関係や経緯からして、一般私企業における販売行為とは一線を画するような行為、すなわち宗教活動に該当するものだと証明できれば、法人税は非課税になるのでしょう。

 

 

 公益法人の収益・非収益判定はグレーゾーンが多く、判断に迷うことが多々あります。

ケースバイケースで、事実関係を慎重に検証することが求められます。

 

 

 横浜の税理士 杉田卓也

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