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杉田卓也税理士事務所

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シルバー人材センターからの配分金は確定申告が必要?

※ 以下掲載記事に関するメール等でのご相談はお受けしておりません。ご了承ください。

 

こんにちは!横浜の税理士、杉田卓也です。

今回のテーマは、『シルバー人材センターからの配分金は確定申告が必要?』です。

 

 

 少子高齢化の進む昨今、平均寿命はますます延びています。会社を退職し、一線を退いた後においても、臨時的・短期的な就労によって社会参加をしたい又は収入を得たい、と考える高齢者の方も存在します。各自治体にはシルバー人材センターと呼ばれる組織が置かれ、就労機会を求める高齢者の方に就労機会を提供しています。

 会員は、シルバー人材センターから仕事の紹介を受け、就労することによって収入を得ることができます。会社勤めが長かった方にとってみれば、この収入はお給料に該当し、毎月の源泉徴収や年末調整によって税金の処理が完結すると考えてしまいがちですが、実はそうではありません。

 

 シルバー人材センターと会員の関係は、雇用ではなく、請負・外注といえばイメージしやすいでしょうか。つまり、各会員はシルバー人材センターを通して仕事を受注し、労働の対価として報酬を得ているのです。シルバー人材センターに入金された請負対価からセンターの手数料(横浜市では10%程度)等を差引き、残額が報酬として会員に支払われます。

(シルバー人材センターから企業への請求は、各人の作業時間に時間単価を掛け、ここに10%の事務費(センター手数料)を加算、さらに交通費を加算して計算しております。)

この報酬は配分金と呼ばれ、税務上は雑所得として課税対象となります。

 

 給与所得でないならば、事業所得になるのでは?と思う方もいるかもしれませんが、基本的に雑所得に該当します。

事業所得に該当すれば、青色申告特別控除や青色専従者給与の支給、青色欠損金の繰越などの優遇税制が多々受けられます。しかし、それには同所得が事業所得に該当するものと認められるための、いくつものハードルをクリアしなくてはなりません。

 具体的には、①営利性・有償性の有無 ②継続性・反復性の有無 ③自己の危険と計算における事業遂行性の有無 ④精神的・肉体的労力の程度 ⑤人的・物的設備の有無 ⑥取引の目的 ⑦本人の職歴・社会的地位・生活状況 といった各項目の程度を総合的に勘案し、社会通念上事業所得といえるか否かを判断することになります。

(これは、不動産貸付業が事業規模に該当するか否かで争われた国税不服審判所の公表採決事例を参考にしております。)

 

 シルバー人材センターからの配分金については、そこまで深く考えるまでもなく社会通念上事業とはいえないものと考えられますので、所得区分は雑所得となります。

 

 

 そして、この配分金につき確定申告が必要となる場合があります。

年間の公的年金収入が400万円以下であり、かつ、それ以外の所得が20万円以下である場合には確定申告の必要はないのですが、これに該当しないケースには確定申告が必要です。

つまり、シルバー人材センターからの配分金に係る所得が20万円を超えるケースです。

 

 それでは、上記の配分金に係る所得はどう計算するのでしょうか?

 

 所得とは収入から経費をマイナスして計算するのが原則です。

収入は配分金の額、経費は仕事に要した交通費や材料費等が想定されます。しかし、このように実額をもって計算すると、経費になる金額があまりないというのが実情です。

 

 そこで税制上認められているのが、家内労働者等の必要経費の特例と呼ばれるものです。

同特例は、実際にかかった経費の額に関わらず、55万円まで必要経費として認める、という内容のものです。給与所得控除として最低55万円のみなし経費を認めていることとのバランスをとっているワケですね。

※なお、2019年12月以前は、給与所得控除の最低額が65万円となっておりました(基礎控除が今より10万円低い38万円だったため。)ので、家内労働者等の必要経費の特例も65万円に設定されていました。

 

 

 繰り返しになりますが、もし実際の経費の額が55万円に満たない場合には、同特例を適用して55万円認定経費をとるのが有利だということになります。

なお、これとは別に給料収入や保険会社からの年金収入、事業所得がある場合には、これらの必要経費とあわせて55万円に達する金額までしか認められないことになりますので、ご注意ください。

 

 

 補足ですが、家内労働者等の必要経費の特例には、申告要件はありません。

つまり、申告していようがしていまいが、55万円までの必要経費を認めているのです。

したがって、シルバー人材センターからの配分金が年間75万円以下、かつ、公的年金収入が年間400万円以下ならば、確定申告は不要だということです。

(配分金75万円-認定経費55万円=所得20万円となり、申告不要の基準値以内に収まります。)

 

 また、上記のとおり申告要件はないため、過年度において55万円の認定経費を取り忘れた場合にも、申告期限から5年以内であれば更正の請求により、取り戻しを行うことができます。

 

 最後になりますが、住民税につきましては、所得税のような申告不要制度はありませんのでご注意ください。

 

 

 横浜の税理士 杉田卓也

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