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杉田卓也税理士事務所

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固定資産税を半額にできる?

※ 以下掲載記事に関するメール等でのご相談はお受けしておりません。ご了承ください。

また、下記制度は平成30年度末をもって廃止される予定です。ご留意ください。

 

こんにちは!横浜の税理士、杉田卓也です。

今回のテーマは、『固定資産税を半額にできる?』です。

 

 

 経営上の必要性から設備投資をすることがあります。設備投資をすれば、投下資本を耐用年数にわたって費用化していきますので、節税になります。

 その一方で、取得した固定資産に対しては、固定資産税がかかることになります。

(正確には、土地家屋以外の固定資産に対して課される償却資産税を想定しています。)

税率は1.4%と高率ではありませんが、毎年かかってくるものですし、取得資産の金額が高額であれば、地味に負担になることでしょう。

 

 固定資産税がかかることを嫌がって設備投資を控える、ということはあまりないと思いますが、支払う税金は少ない方が経営上良いに決まっています。課税制度が企業や個人事業の設備投資を妨げることになっては経済の発展は望めません。

 

 そこで、生産性を高めるための設備を取得した場合には、3年間にわたって固定資産税を半額にできる、という特例が中小企業経営強化税制という制度によって手当されています。

平成31年3月31日までに新品を取得することが必要です。)

自己申告が必須ですので、該当するならば早め早めに手続きをつぶしていきましょう。

 

 具体的な手続きを以下にご紹介します。

 

 まず、設備の種類に応じた取得金額に注目します。

① 機械装置      一台当たり160万円以上

② 器具備品      一台当たり30万円以上

③ 建物付属設備    一台当たり60万円以上

④ 測定工具・検査工具 一台当たり30万円以上

 

 上記の金額未満のものは、そもそも該当しません。

 

 次に、設備の販売開始時期に注目します。

① 機械装置      10年以内

② 器具備品      6年以内

③ 建物付属設備    14年以内

④ 測定工具・検査工具 5年以内

 

 設備投資の際に、販売開始時期を意識することはあまりないでしょう。

ですので、販売開始時期を調べるというより、販売代理店やメーカーに「工業会から生産性向上要件証明書をとれますか?」と聞くことです。この証明書をとれるものは、販売開始時期要件を満たしています。

 

 生産性向上要件証明書とは、正確には「中小企業等経営強化法の経営力向上設備等に係る生産性向上要件証明書」という長たらしい名称の書類なのですが、この証明書がないと固定資産税特例は適用できません。

 

 証明書が発行できるにしても、メーカーから申請 → 工業会にて発行 → メーカー受領 → エンドユーザー の流れを経ることになりますので、手元に届くまでにはそれなりに時間を要します。

(おおむね1ヶ月程度はかかるものと思ってください。)

 

 無事に証明書を取得できたら、次は「経営力向上計画に係る認定申請書」を担当省庁に提出します。

 

同申請書には、「経営力向上計画」・「工業会から取り寄せた証明書コピー」・「チェックシート」を添付します。

 ※ 書式の雛形・記載例は中小企業庁のホームページから取得できます。

 

 この「経営力向上計画」において、今回の設備投資により~の改善をもたらし、~指標を~%向上させることを予定している、といった詳細を示すわけです。

担当省庁において上記計画を審査し、認定を受けることになります。

(認定までに1~2ヶ月程度はかかるものと思ってください。)

 

 無事に経営力向上計画の認定書を取得できたら、年明け1月末期限の償却資産申告書に必要書類を添えて自治体に提出することで、晴れて固定資産税特例が受けられることになります。

 

 例えば、横浜市であれば以下が必要書類の詳細です。

① 償却資産課税標準特例該当資産届出書兼明細書

② 経営力向上計画の申請書の写し

③ 経営力向上計画の認定書の写し

④ 工業会等による仕様等証明書の写し

⑤ 経営力向上設備に係る固定資産税の課税標準の特例チェックシート

 

 

 ここで、一連の手順に関して注意点があります。

 

 原則的には、工業会証明書の申請・取得 → 経営力向上計画の申請・認定 → 設備取得 → 税務申告 という流れを想定していますが、工業会証明書取得や経営力向上計画認定に数ヶ月かかってしまうので、実務的には先に設備を取得するケースも多々あるでしょう。

 

 この場合には、以下を満たさないと固定資産税特例を適用できない、又は制限がかかることになってしまいますので、ご注意ください。

① 設備取得から経営力向上計画の申請受理まで60日以内であること

(※あくまでも申請受理であり、認定ではありません。)

→ つまり、先に設備取得している場合には、すぐに経営力向上計画の策定に取り掛かるべきだということです。計画の申請受理が設備取得から60日を超えてしまうとアウトです。

 

② 遅くとも設備取得年の12月31日までに経営力向上計画の認定を受けていること

→ 12月31日を超えて認定を受けた場合、固定資産税の軽減期間が2年に短縮されてしまいます。

 

 

 なお、経営力向上計画の認定により受けられる税制優遇として、固定資産税特例の他に、法人税又は所得税の計算上、即時償却または税額控除を受けることもできます。

これも併せて適用できれば節税効果は大きいのですが、医療保険業に関しては制限が設けられていることが特徴的です。

 つまり、医療保険業を行う事業者が取得する器具備品・建物付属設備に関しては、即時償却又は税額控除は適用できないルールになっているのです。

(医療保険業を狙い撃ちして制限していることには理由があります。経営力向上計画に基づく設備投資に対して税制優遇を設けることによって、事業運営を後押しし、結果として従業員の賃金水準を上げることが制度の目的となっているようなのですが、医療保険業に関しては他業種に比べて賃金水準が高く、さしあたって税制優遇を設ける必要性が低い、と判断されているそうです。)

 

 一方で、固定資産税特例に関しては、東京都を除いて、医療保険業にも適用できるルールになっています。

(東京都は即時償却も税額控除も固定資産税特例もすべて使えないということです。)

 東京都以外の46道府県は対象となりますので、医療保険業を行う事業者さんは、少なくとも固定資産税特例だけは適用しましょう。

 

 

 最後になりますが、経営者さんが設備投資の判断をする際、固定資産税の軽減に関する知識などないのが普通です。

設備を取り扱う販売代理店やメーカーが商談の際に特例制度の紹介をしてくれれば、税務申告までに必要な手続きを失念してしまう可能性は減りますが、税の専門家でない彼らにそこまで要求するのは酷かもしれません。

 

 そこで税理士の出番です。普段から経営者さんと顧問税理士がコミュニケーションをとり、事前に設備投資計画について情報共有していれば、適用を失念することはありません。

お互いにあまりコミュニケーションをとっておらず、気づいた時には申請期限を過ぎてしまっていた、ということだけは避けたいものです。

顧問税理士としては、普段から何でも相談できる相手として、顧問先から信頼される存在でなければいけませんね。

 

 

 横浜の税理士 杉田卓也

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