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杉田卓也税理士事務所

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相続した家は、空き家なら早めに売って節税?①

※ 以下掲載記事に関するメール等でのご相談はお受けしておりません。ご了承ください。

 

こんにちは!横浜の税理士、杉田卓也です。

今回のテーマは、『相続した家は、空き家なら早めに売って節税?①』です。

 

 

 両親が亡くなり、住んでいた家を子が相続することがあります。その家に子が住むという選択肢があるならば別ですが、特段の利用用途がなく、空き家のまま放置されているケースが多いようです。

過去の統計調査によれば、総住宅数に占める空き家の割合は15%に迫る勢いで、社会問題になっています。相続人としても、固定資産税や維持費が毎年かかり、悩みの種になっているというケースもあることでしょう。

 

 そんなとき、どう対処するのが最善なのでしょうか?

近年では、空き家の多い地域の沿線鉄道会社が不動産業者と連携して、空き家をリノベーションし、賃貸物件として有効活用するという事例もあるようです。(空き家の増加は地域の人口減少をもたらし、結果として、沿線鉄道会社の経営にも影響を及ぼすということです。)

 この場合、オーナーである相続人は、その物件から固定資産税等をカバーする程度の収入を最低限確保することができるならば、当然ながら空き家のまま放っておくよりもメリットがあるでしょう。スキームにもよりますが、オーナーがエンドユーザーと直接賃貸契約を結ぶのではなく、空室リスクを含めて業者にサブリース(一括転貸)するという方法も考えられます。

 

 いずれにしても、上記はリノベーション後の賃貸需要がある場合が想定されます。

思った通りにうまく行かない可能性も当然ありますので、リスクを一切取りたくない人にとっては考えものかもしれません。

 

 そこで、シンプルに相続した空き家を売ってしまう、という方法が考えられます。

これには税制優遇措置が設けられており、節税効果が期待できます。

 

 この税制優遇措置は、空き家の譲渡特例と呼ばれておりますが、一定の空き家の譲渡を「居住用財産」の譲渡とみなし、従来からあるマイホーム譲渡に係る3,000万円控除に準じた取扱いを認める制度です。

したがって、空き家が共有であれば、共有者ごとに3,000万円控除が受けられます。

ただし、全体での譲渡対価が1億円以下であることを要件とします。なお、家屋の解体費用を買主が負担する場合には、当該費用を含めた上で1億円判定をします。)

 

 

 制度の概要は、相続又は遺贈によって取得した被相続人居住用家屋(※1)又は敷地(※2)を、2016年4月1日から2023年12月31日までの間に売った場合(※3)、譲渡所得の金額から最高3,000万円控除することができる、というものです。

 

 

(※1)被相続人居住用家屋とは、以下3要件をすべて満たすものをいいます。

 ① 昭和56年5月31日以前に建築されたこと。

  → 建築日は、登記事項証明書上の新築の日付が原則となりますが、確認済証や検査済証、台帳記載事項証明書、建築に関する請負契約書によることも可能とされています。

<租税特別措置法 基本通達35-26>

 

 昭和56年5月31日以前の建築物については、耐震基準を満たしていないものが多く、こういった古い空き家が増加すると、災害時等の倒壊リスクが上昇することが社会問題となっています。

 

 ② 区分所有建物登記がされている建物でないこと。

  → あくまでも、登記がされているかどうかによります。建物の構造上、内部で行き来ができないような独立区分されたもの(事務所・店舗・賃貸の併用住宅など)であっても、区分所有登記がされていなければ、要件を満たします。

<租税特別措置法 基本通達35-11>

 

 分譲マンションはダメだということですね。

 

 ③ 相続開始直前において、被相続人が一人で住んでいたこと。

  → 同居人がいた場合や賃借等により家屋の一部に居住していた者がいた場合には、要件を満たしません。

(相続開始直前に老人ホームに入居していた場合に関しては、2019年3月31日までは適用対象外でしたが、平成31年度税制改正によって、2019年4月1日~2023年12月31日の期間内における譲渡について適用対象と認められました。)

<租税特別措置法 基本通達35-12>

 

 簡単に言えば、独居状態であったということが適用要件となります。

 

  なお、家屋とその敷地の双方を相続・遺贈により取得することが必要(共有も可)とされますので、例えば家屋を兄が取得、敷地を弟が取得、といったケースはダメです。

<租税特別措置法 基本通達35-9>

 

 

(※2)敷地には、借地権を含みます。また、一団の土地上に、母屋と離れ・倉庫・車庫などの用途上不可分の複数建築物がある場合には、その土地の総面積のうち、母屋部分に対応する敷地面積(建築物の合計床面積のうちに母屋の床面積の占める割合による按分計算)に限ります。

<租税特別措置法 基本通達35-10 / 35-13 / 35-14

 

 

(※3)売却に関する諸要件は以下のとおりです。

 イ 家屋のみ又は家屋とともに敷地を売る場合(現存する家屋の敷地のみ売却は×)

 (イ)相続時から譲渡時まで、事業用・貸付用・居住用に使われていないこと(無償の場合を含む。以下同じ。)

 (ロ)現存家屋が耐震基準を満たさない場合、売却までに耐震工事を完了すること

 

 ロ 家屋を取り壊した後に、敷地を売る場合

 (イ)家屋につき、相続時から取壊時まで、事業用・貸付用・居住用に使われていないこと

 (ロ)敷地につき、相続時から譲渡時まで、事業用・貸付用・居住用に使われていないこと

 (ハ)敷地につき、取壊時から譲渡時まで、建物や構築物の敷地に使われていないこと

 

 ハ 相続の開始があった日から3年目の年の12月31日までに売ること
   
 ニ 売却先が、親子や夫婦など特別の関係がある人(同一生計親族・内縁関係にある人・特殊な関係のある法人を含む)でないこと
 
 
 
 
 上記の通り、数多くのハードルをクリアしないことには適用できない制度となっていますので、興味があれば詳細は専門家にご照会下さい。
 
 確定申告時の具体的な手続方法・他の特例との併用に係る注意点については、改めて以下記事にてご紹介します。
 
 
 
 横浜の税理士 杉田卓也
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