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相続財産を換金して分配するなら、所得税の確定申告が必要?

※ 以下掲載記事に関するメール等でのご相談はお受けしておりません。ご了承ください。

 

こんにちは!横浜の税理士、杉田卓也です。

今回のテーマは、『相続財産を換金して分配するなら、所得税の確定申告が必要?』です。

 

 

 相続財産が現金や預金であれば、相続人間で柔軟に分配できますが、不動産や株式などの現物資産の場合、そのままでは分割しにくいことでしょう。

そこで、現物の相続財産を売って現金化してから分配することがあります。

これを換価分割と呼びます。

換価分割をした場合に各相続人において税金はどう取扱われるのでしょうか?

専門家でなければ、少々イメージしづらいかもしれません。

分かりやすいように、以下に具体例をあげて注意点を説明していきます。

 

<前提条件>

イ 相続財産:株式

ロ 被相続人:父 相続人:母、姉、弟

ハ 母が一旦株式をすべて取得したうえで、証券会社にて株式を全額売却する

ニ 売却により得られた現金を法定相続割合(母:1/2 姉:1/4 弟:1/4)で各相続人に分配する

 

 上記において、母が売却手続きのために一旦すべての株式を取得しておりますので、一見すると母が株式のすべてを相続しているように感じるかもしれません。

しかし、この取得はあくまでも一時的・形式的なもので、現金化後に各相続人間で分配することが予定されている場合には、最終的な分配割合に応じて各相続人が株式を相続したものとみなします。

具体的には、母が1/2、姉と弟がそれぞれ1/4ずつの持分にて当該株式を相続したものと判断できます。

そして、その株式の売却に関しても、母が1/2、姉と弟がそれぞれ1/4ずつの持分を売って現金化した、と取り扱うことになります。

つまり、当該株式の売却によって利益がでている場合には、各相続人が自身の持分相当額について所得税の確定申告・納税をしなければならないのです。

 

 この場合、確定申告書に換価分割による遺産分割協議書を添付する必要があるでしょう。

遺産分割協議書の添付がないと、税務署は各相続人の持分を把握することができません。

(外形的には、母が代表して証券会社にて売却手続きをとっていますので、資料の添付がなければ母がすべての金額についての確定申告・納税義務を負うものと判断せざるを得ません。)

 

 換価分割による遺産分割協議書は、特段定められた書式はありませんが、まず換価のための取得者を定め、次項にて各相続人の取得割合を記載するのが一般的でしょう。

(当然ながら、相続人間の合意があれば、相続割合は必ずしも法定相続割合に限られず、自由に設定することが可能です。)

 

 なお、売却した相続財産につき相続税の負担があった場合には、譲渡所得税の計算の際、相続税の取得費加算特例を使うことができますので、忘れずに適用したいところです。

 

 株の売却に関しては、特定口座内での源泉徴収のみで課税関係が終了する場合には、特段意識することはないのですが、確定申告書を提出する場合には注意しなければならない点があります。

それは、確定申告をすることにより株の利益がその人の所得として認識されることになり、配偶者控除や扶養控除等の所得判定上影響を及ぼすということです。

48万円(2020年以降。2019年までは38万円)を超える所得が発生する場合には、配偶者控除や扶養控除の対象外となります。

 

 さらに、健康保険の取扱いにも影響を及ぼします。

市区町村の国民健康保険・介護保険に加入している際は、株の利益を確定申告することにより保険料額の増額が想定できます。

※なお、特定口座内での取引の場合には住民税のみ申告不要を選択することも可能です。

(その場合には、その旨を記した住民税確定申告書の提出が必要。)

相続税の取得費加算特例による節税額と健康保険料の増額分を天秤にかけ、有利な方を選択するべきでしょう。

 

 なお、サラリーマンの妻に関しては、社会保険上の影響は生じないものと考えられます。

というのも、株や不動産の売却といった非継続的で一時的な所得に関しては、社会保険の扶養判定においては所得に含めないという考え方が一般的だからです。

ただし、健康保険組合によって取扱いが異なる可能性ありなので、念のため確認することをおススメします。

 

 相続があると、場合によっては相続税のみならず所得税・住民税の負担が生ずる可能性があります。予想外の影響が出て驚いてしまうことがないよう、事前にシミュレーションできれば望ましいことと思います。

 

 

 横浜の税理士 杉田卓也

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