横浜で税理士をお探しなら杉田卓也税理士事務所にお任せ下さい! 上場企業管理部門を経て独立開業した若手税理士がお客様目線の税務サポートを提供致します。

杉田卓也税理士事務所

〒232-0013 神奈川県横浜市南区山王町4-26-3 ストークビル秋山2階
横浜市営地下鉄 吉野町駅(横浜駅から10分)4番出口より徒歩1分

営業時間
9:00~17:00
定休日
土曜・日曜・祝日

税理士報酬はどうやって決まっている?

 

こんにちは!横浜の税理士、杉田卓也です。

今回のテーマは、『税理士報酬はどうやって決まっている?』です。

 

 

 私はサラリーマンを経て独立開業しましたが、開業時に一番苦労した(悩んだ)のが値段設定です。日々の生活においても様々なモノにお金を払うわけですが、そのモノに付いた値段はどのように決定されているのでしょうか? 当たり前のようでいて当たり前ではない、商売を考えるうえで非常に重要なテーマだと思います。

 

 商売をやる以上は利益を出さなければなりません。利益とは簡単に言えば『売上-経費』なわけですから、利益を出すということは、経費を上回る売上を確保することが求められます。

その発想で行けば、経費を集計し、そこに自分の取り分を乗っけたものが一つの売上目標となります。販売数量の目安があるならば、売上目標を販売数量で割れば、単価が計算されます。

これは、コストプラス法と呼ばれる値決めの考え方であり、当然のことながら、変動コスト・固定コストの多寡や想定利益の設定によって単価は変動することになります。

 

 実際に、税理士業に当てはめて考えてみます。税理士業は大きな設備投資を必要とする商売ではありませんので、経営の仕方によっては経費を最小限に抑えることも可能です。

仮に従業員を雇用しない、自宅を職場とし別途事務所を借りない、格安の会計申告システムを使用する、広告費をかけない、等のコストミニマイズを実現するならば、開業資金もさほど必要ありません。税理士は税理士会なる団体に所属することが資格商売をする上での必須要件ですが、会費も年間15万円程度とリーズナブルです。(お医者さんの支払っている会費に比べれば激安と言えます。)

ですので、もし自分の取り分を少額にとどめることが(生活をする上で)可能だとすると、激安税理士事務所の出来上がり!となります。

値段が安いという点をセールスポイントとして集客をするのも一つの方法だと思います。ただし、ある程度の利益を確保しようとするならば、数をこなす以外に方法がありません。誰の手も借りずに一人で、かつ、低額料金でこなそうとすれば、売上規模は自ずと限定されてくるでしょう。

 

 税理士業界においては、かつて(旧)報酬規定なるものが存在していました。未だに何の疑いも無くこの規定通りに報酬を請求している税理士事務所もあると聞きますが、平成・令和の時代に税理士事務所を運営している身としては、(旧)報酬規定に従って報酬請求していた昭和の時代、税理士は儲かる商売だったことだろうと思います。現在は弁護士さんや社労士さん、司法書士さんや行政書士さんなど他士業でも新規顧客の獲得に苦労しているそうです。先日実際に耳にした話ですが、とある知人経営者の顧問を長年務める税理士が値上げ請求をしてきたとのこと。聞けば元々の価格自体が相場の3倍以上であり、そこからさらに値上げしようというのだから驚きでした。値上げの理由をどう説明したのかまでは不明ですが、長年付き合いのある先生だから仕方がないと諦めているそうです。(今の時代、かなり稀有な事例だと思いますが。)

税理士業も斜陽産業と言われて久しく、若手の新規開業はかつてよりもハードルが高いのは間違いないでしょう。看板を掲げて事務所で待機していれば顧問契約の話が勝手に舞い込んでくる、などということはまずありません。そして税理士という商売に限りませんが、やはり実務経験を積まないことにはアドバイザーとしてのレベルアップは望めないことと思います。

実務経験を積もうにも顧客がいないのではレベルアップしようがないわけです。そこで、やむなく激安事務所を謳うことで顧客の囲い込みを図りますが、薄利多売・貧乏暇なしといった状況に陥ってしまうケースが多いものと想像できます。

 

 私は横浜で税理士をしていますが、インターネットで『横浜 税理士』であるとか『横浜市 税理士事務所』といったキーワードで検索すると、多数の税理士事務所のホームページが表示されます。独立開業時は、同じ横浜というエリアで営業している税理士がどういった価格を提示しているのかじっくりと検証しました。ホームページに料金表自体載せていない税理士事務所もそれなりにありますので、調べられる範囲で調べてみましたが、一部の激安税理士事務所を除けば、概ね相場観がつかめてきます。(一部の激安事務所に関しても、年間を通じて必要なサービスを積み上げていくと、結局激安ではないというケースも多々あります。)

何でもインターネットで検索して比較検証できる時代ですから、相場観を逸脱した価格で商売をすることは難しいものと考えます。それは税理士業とて同じです。ただし、かなり専門的な分野に特化して高付加価値のサービスを提供するならば別の話なのでしょう。私が大学卒業後、最初に就職した大手税理士法人は、所属部署によって多少の差はあるものの、高度な専門分野を取り扱う事務所でした。配属された部署は、外資系企業を中心とした国際税務や国内上場企業の組織再編、不動産ビジネスの(税務的な観点からの)仕組みづくりなど特殊分野を強みとしています。(かの有名な名古屋航空機リース事案を手掛けたパートナー税理士がかつての部門長でした。)やはり相手にする顧客が大規模であり、かつ、高度に専門的であることから、請求する報酬金額も個人事務所からは考えられないような金額となります。案件にもよるのでしょうが、携わった社員の作業時間を集計し、そこに社員の階級に応じた単価を掛けて報酬額が計算されておりました。(タイムチャージと呼称する方法です。)

具体的な単価は差し控えますが、職位の低いスタッフでもこれだけの時間単価を請求していると知ったときは、身の引き締まる思いでした。

 

 独立開業して個人で事務所を経営すると、(業務内容や性質上)タイムチャージで報酬金額を設定するのは難しいものがあります。やはり入口の段階で、ある程度の報酬金額の合意が取れていないと契約に至らないのが事実です。(また、正直なところ町の個人税理士事務所に高度に専門的な組織再編や国際税務などの案件が持ち込まれることはほとんどないというのが実態です。)

実感として言えることは、個人の税理士事務所の主力商品はやはり税務顧問契約なのだと思います。相続税や贈与税、譲渡所得税といった資産税分野に特化する方法もあるでしょうが、単発案件を積み重ねるよりも顧問契約といったサブスクリプションを主力サービスに据える方が経営は安定するハズです。ただし、顧問契約をしていると、社長さんをはじめとした関係者の相続案件の相談が持ち込まれることがありますので、顧問税理士として慌ててしまうことがないよう資産税案件の研鑽にも力を注ぐ必要があります。(あまりにも専門的な案件の場合には、無理をせずに資産税専門の税理士へ回す方が顧問先のためになるケースもあると思いますが。)当事務所でも顧問先の相続案件を受任することがありますが、資産税は経験するたびに新たな気づきや発見があり、非常に奥深い業務だと感じます。また、オーナー会社の法人税や所得税とも密接に関わってきますので、(当たり前ですが)税制改正や今後の動向にもアンテナを張っていなければなりません。

 

 少々脱線しましたが、個人税理士事務所の主力商品である顧問契約に対して、どういった料金を設定するのか、何らかの基準を設けるのか、非常に悩みました。ある程度の誤差は仕方ないにしても、あまりにも業務と報酬金額が見合わないようでは、採算に乗らず経営を圧迫してしまいます。

色々と悩み検討しましたが、結局のところ、売上規模と定期的な打合せ頻度に応じて料金を設定することとしました。(業界では一般的な方法です。)

実際に契約して業務に取り掛かってみると、想定していた以上に時間を要する案件もありますが、全体的には概ねバランスがとれているものと感じます。

町の税理士事務所に限ったことではありますが、設定料金はやはり相場観を意識したものとすることが基本だと考えます。

上記に記載したように、国際税務や組織再編・富裕層向けの資産税コンサルティングといった競合他社が参入しづらい特殊分野であれば、コストプラス法によらず、いわゆるブランド価値を乗せた単価設定も可能です。一方で、町の税理士事務所にはそのような特殊な大型案件が持込まれることは稀ですので、もっと地道な付加価値の積み重ねが求められるのでしょう。

一つ一つを個別に取り上げれば付加価値と呼ぶに足らないものですが、税理士という士業には、通常当たり前と思われるような顧客サービスが欠落しているケースが散見されます。

例えば、顧問先からの依頼や質問を何日もほったらかしにしている(レスポンスが遅い)ケース・質問された内容が分からないため適当にけむをまいてごまかしているケース・グレーゾーンの多い税務の特殊性を噛み砕いて説明することを放棄している(実務的な射程距離や実感を語れない)ケース・顧問先に使える税制を全く適用していない、検討すらしていないケース、、、など具体例をあげればキリがありません。

実際に税理士変更にて当事務所とご契約いただいた顧問先様において、税務調査後の修正申告書の提出を忘れていたケースもありました、、、。(さすがにここまでのケースは稀ですが。)

いずれにしても、通常のビジネスでは当たり前と思われる一つ一つのことをキッチリとこなしてくだけでも、顧問先様の信頼は得られるものと思います。基本的には『税法を適切に運用していれば』税理士によって税負担額に差異が生じるということはないわけですから、町の税理士事務所で差別化を図るのは一見すると困難であるようにみえます。しかし、現場の声に耳を傾けてみると、必ずしもそうとは言い切れないものと実感します。

端的に表現すれば、『税務のみに固執しない総合的なコンサル力』や『人間力』が肝になるのかもしれません。意外にも、人柄の部分で税理士変更を検討するケースは多いようです。人間は合理性のみを判断基準とする生き物ではありません。税理士である前に人間として好感をもってもらえるような対応を心掛ける、という至極当たり前なことを今改めて意識しています。

しかし、そういった目に見えないものは、なかなか顧客単価に反映し難いのも事実です。

 

さらに言えば、モノの値段は需要と供給のバランスで決定されるものです。冒頭で経費金額に自分の取り分を乗せて売上金額をはじき出すと記載しましたが、その売上金額が需給バランスを全く加味しないものであるならば、見当違いな単価を設定してしまうことになりかねません。

業界でも事業承継税制の規制緩和が話題に上がりますが、日本の90%以上を占める中小企業数は年々減少の一途を辿っており、事業を承継する人材も承継すべき事業自体も勢いがないのが現状です。税理士は中小企業を顧客とする商売です。税理士の供給数は(税理士試験受験者は激減しているにも関わらず)年々増加しております。(詳細は、税理士という職業は無くなる?にてご紹介しています。) その一方で、税理士を必要とする中小企業数は減少しているワケですから、需要と供給のバランスが崩れてきているのは明白です。

かつての(旧)報酬規定をボッタ○リだとは言いませんが、インターネットで税理士事務所の料金体系が丸裸であり情報の非対称性は解消されているワケですから、そこを逸脱することは余程の独自性や高付加価値を提供できない限り難しいでしょう。

個人の税理士事務所における独自性や付加価値というのは具体的に何なのか、その答えは税理士である限り今後も追究し続けなければならないことだと感じます。

 

 

 税理士一人、職員数名といった規模で税理士事務所を経営するのであれば、濡れ手に粟といった商売は当然ながらできません。特段の付加価値もないまま、かつての高額な顧客単価を今なお継続し続けている税理士は早晩退場に追い込まれるのではないかと想像します。それだけインターネットのもたらした影響は大きなものです。

税理士という商売を始めるにあたって、モノの値段について改めてじっくり考える機会をもらいました。価格がガラス張りの昨今、常に適切なマーケットプライスを意識し、顧問先に費用対効果の高い税理士だと感じてもらえるような仕事をしなければと肝に銘じております。

 

 

 

 横浜の税理士 杉田卓也

代表税理士の画像

お問合せ・ご相談はこちら

顧問契約等のご依頼は、メールフォームにて受け付けております。

営業終了後でもメールでのお問合せにつきましては、24時間受け付けております。

※顧問契約ご依頼に対するご返答はメールにて迅速対応しておりますが、ごくまれに当事務所からのメールが届かない (or迷惑メールに入ってしまう)ことがあるとの報告を受けております。

返答がない場合には、お手数ですが再度ご連絡いただくか、迷惑メールフォルダのご確認・解除設定をお願い申し上げます。

営業時間:9:00~17:00
定休日:土曜・日曜・祝日