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杉田卓也税理士事務所
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こんにちは!横浜の税理士、杉田卓也です。
今回のテーマは、『会社設立すると消費税はどうなる?①』です。
会社設立をすると2年間消費税が免除される、という話を聞いたことがあるかもしれません。一体なぜ2年間免除されるのか、その後の消費税はどうなるのか。
消費税はやり方一つで納税額や還付額が大きく変わるもので、税理士にとっても怖い存在です。気を付けるべき注意点を交えて、以下にご紹介します。
説明を分かりやすくするため、以下のような前提条件を設定します。
(設立1期目)X1年10月1日~X2年3月31日 課税売上高700万円
※資本金は300万円にて設立、1期目は6ヶ月間、サービス業を営んでいる。
(設立2期目)X2年4月1日~X3年3月31日 課税売上高1,800万円
(設立3期目)X3年4月1日~X4年3月31日 課税売上高2,500万円
(設立4期目)X4年4月1日~X5年3月31日 課税売上高4,000万円
① 設立1期目の消費税
消費税の納税義務は基準期間(簡単に言えば前々事業年度)の課税売上高が1,000万円を超えるときに生じます。
また、基準期間がない場合でも、資本金の額が1,000万円以上であれば、納税義務が生じることとなります。
例では、設立初年度なので前々事業年度はなく、かつ、資本金の額も1,000万円以上ではないため、消費税の納税義務はありません。
つまり、消費税に関しては確定申告の手続も納税も不要となります。
納税義務があろうがなかろうが、会社は税抜料金を設定し、そこに消費税を乗せた税込の金額をもって売上げていますし、逆に会社が支払うコストに関しては消費税を負担しています。
もし納税義務があるならば、売上により受け取った消費税額から、仕入により支払った消費税額をマイナスし、残額を納税することになります。
納税義務がないということは、上記によって計算した残額がそのまま会社の懐に入ることになります。
これは、いわゆる益税としてかつてより問題視されているものですが、金額の規模や制度上やむを得ないものとして、現行税制上は通っています。
② 設立2期目の消費税
設立2期目に関しても、前々事業年度はなく、かつ、資本金の額も1,000万円以上ではないため、消費税の納税義務はないこととなります。
したがって、上記①・②のとおり、会社を設立すると2年間は消費税を納めなくてよい、ということになるワケです。
③ 設立3期目の消費税
設立3期目になると、ここではじめて前々事業年度が存在することになります。
前々事業年度とは設立1期目のX1年10月1日~X2年3月31日(6ヶ月間)が該当します。
納税義務の有無は、前々事業年度の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかにより判定しますので、設立1期目の課税売上高:700万円≦1,000万円により、納税義務なし!
と判定してしまいそうですが、そうではありません。
基準期間が1年でない法人については、年換算して課税売上高を計算するルールになっています。
(これは法人に限った話で、個人事業者の場合には年換算の発想はありません。)
したがって、700万円/6ヶ月×12ヶ月=1,400万円と計算され、1,000万円を超えることになりますので、設立から初めて納税義務が生ずることとなります。
ここで一つ注意点があります。
上記①の下段にも記載しましたが、原則的な納税額は、売上により受け取った消費税額から仕入により支払った消費税額をマイナスした残額となります。
例えば会社の全体コストの65%が従業員給料だった場合、消費税の計算はどうなるでしょうか。従業員給料は消費税の対象外(従業員さんにお給料を支払う時に、消費税を負担することはありません。)なので、会社は全体コストの35%部分にしか消費税を負担していないことになります。
すると、納める消費税は売上に係る消費税額から仕入に係る消費税額をマイナスして計算しますので、このマイナスできる仕入に係る消費税が少額になってしまうワケです。
当然ながら納める消費税はその分多額になります。
このような状態の救済として、簡易課税制度が使えます。
簡易課税制度とは、業種に応じてみなし仕入率を設けており、売上にこのみなし仕入率を乗ずることで、簡易的に消費税を計算する制度です。
具体的には、本ケースのようなサービス業は第5種事業に該当し、みなし仕入率は50%になります。
つまり消費税の計算上は、売上の50%に相当する仕入があったものとみなしてくれますので、原則的な方法により計算した実額の仕入れに係る消費税額よりも、金額が大きくなる可能性があるのです。
その結果、納める消費税額を少なくすることが可能です。
この便利な簡易課税制度ですが、適用するためには以下2つのハードルがあります。
イ 基準期間の課税売上高が5,000万円以下であること
ロ 適用を受けようとする事業年度開始日の前日までに届出書を提出していること
本ケースにおいては、上記イは満たしておりますので、気を付けるべきはロの届出書の提出期限です。
設立3期目(X3年4月1日~)から簡易課税制度を使いたいのだとすれば、3期目開始日の前日、すなわち、2期目終了日まで(X3年3月31日まで)に簡易課税制度選択届出書の提出を済ませていなければならないのです。
設立1期目が終了し、決算を組んだ時点で、設立3期目から納税義務が発生することは見越すことができますので、事前に簡易課税制度を選択した方が得なのかどうかシミュレーションしておくことが求められます。
そして、簡易課税制度を使うべきと判断できれば、あとは届出書の提出を忘れないようにスケジューリングすることです。
届出書の出し忘れに対しては、救済措置がありませんので、十分に気を付けたいところです。
④ 設立4期目の消費税
前々事業年度は設立2期目のX2年4月1日~X3年3月31日が該当します。
設立2期目の課税売上高:1,800万円ですので、1,000万円を超えており納税義務ありと判定できます。
上記③に記載のとおり、届出書を提出し、設立3期目から簡易課税制度を適用している場合には、設立4期目につきましても引き続き簡易課税制度の適用が強制されることとなります。
簡易課税制度の適用をやめる場合には、簡易課税制度選択不適用届出書を提出しなければなりません。選択不適用届書の提出がない場合は、前々事業年度の課税売上高が5,000万円を超えない限り、自動的に簡易課税制度の適用が強制されることになるわけです。
なお、簡易課税制度選択不適用届出書の提出があった場合には、提出事業年度の翌事業年度から簡易課税の効力がなくなるのですが、一度簡易課税を選択すると、2年間の継続適用が強制されることに注意が必要です。
例えば、多額の設備投資を行うようなケースでは、簡易課税制度ではなく、原則的な方法で消費税を計算した方が有利になることがあります。設備投資によって、納める消費税額からマイナスできる仕入消費税が多額になるのであれば、場合によっては消費税が還付されることもあるのです。
しかしながら、消費税の還付を受けるためには、原則的な方法で消費税を計算しなくてはなりません。簡易課税は売上の~%を仕入とみなす制度ですので、仕入が売上を上回ることはあり得ないこととなり、還付は絶対に生じません。
多額の設備投資が、簡易課税制度の適用期間中に行われると、消費税の還付を受けることができず、大きな不利益を被ってしまいます。
簡易課税制度を選択する場合には、その後の事業計画をしっかりと考慮に入れて、慎重な判断をしなくてはいけません。
オーソドックスな消費税の課税ルールを上記にご紹介しました。
前々事業年度の課税売上高が1,000万円以下であり、本来であれば納税義務がないにも関わらず、敢えて納税義務ありを選択することで消費税の還付を受ける方法もあります。
その場合の注意点などは改めてご紹介しようと思います。
横浜の税理士 杉田卓也
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